木の保育家具・用品|株式会社ナガサワ

Maintenance日常のお手入れ

長くお使いいただくために

このページは長くお使いいただくために木材、特に無垢の家具の特性やそのお手入れ方法のご案内になります。何層にも板を重ねた積層合板や木材と異なる化粧合板、フラッシュ構造の突板など別の加工による木製品、類似品の取扱いはまったく異なります。

木製家具の加工別お手入れの方法

家具のお手入れ

無垢の家具のお手入れのしかた

お手入れのしかたも無垢材の特性と関係しています。湿度、熱、音、紫外線などをバランスよく心地のよい、尖らない環境にしてくれます。お手入れの基本も同じで極端にしないようにしてあげることがコツになります。

調湿効果を持つゆえの苦手

木材の調湿効果は周囲の湿度と釣り合いを取ろうとするために水分を吸収、放出する現象です(平衡含水率)。急激な環境変化や過酷な設置状況は木材の膨張収縮(水浸しや直射日光の繰り返し)時に大きく姿を変えてしまいます。家具の場合はその木のみならず周辺部(接着面、塗装、接合部分)に甚大な影響を与え、目地違い(ズレ)、割れ、反りといった暴れる要因のひとつになってしまいます。
この接合部などへさらに水が侵入すると腐敗、カビ、弱体などがさらに起こり家具として使えなくなることもあるので注意が必要です。
この症状になる前に、製材の時点でしっかりと自由水が抜けていることが必須ですが、水浸し状態や直射日光などの極端な状況を作らない、加湿と乾燥の繰り返しをできるだけ避けることがもっとも有効な対策になります。
たとえば保育現場で見受けられる椅子の水洗いや日光消毒はその効果以上にその椅子を痛めてしまっています。

メンテナンス

日中直射日光が常に当たる場所はできるだけ避けてください。天日干しはしないでください。

メンテナンス

加湿器や除湿器、壁紙のない地下室などの湿気の多い(極端に少ない)ところに置くことはできるだけ避けてください。また、エアコンの吹き出し口の近くも乾燥しますので、できるだけ避けてください。

メンテナンス

水に濡れた場合はすぐに拭き取ってください。雨で濡れる半屋外に置かないでください。

同じ効果を求めるには固く絞った水拭き後に乾拭きでふき取ることで痛めることなく解決することが可能です。

家具の種類別 長持ちさせる方法

子どもの木製椅子のお手入れ方法

木製椅子

乳児環境ではほぼ毎日、テーブルとともに消毒作業や水拭きをされていると思います。拭き残しをしないことも大切ですが、拭きにくい形状(指の入らない隙間)の椅子や汚れが残りやすい塗装(オイルや無塗装)のものを避けていただくこともとても有効です。
椅子で最も劣化が気になる部分としては座面の角。積層合板の椅子で多く見られますが角が削れて荒れていませんか?これはスタッキング(重ねる)をおこなうときに重ねる側の椅子の脚をぶつけて削ってしまっています。ササクレによって座った子どもの衣類がほつれたり、ひどいときには怪我をすることもあります。

これらを防ぐには椅子のスタッキング脚数を抑える、子どもが積む数を制限する、前に積み上げるタイプであればあまり持ち上げず滑りこませてスタッキングをおこなうことで角が削れることがある程度抑えられます。
また、積層合板の座板ではできませんが、無垢の座面であれば研磨することで簡単に解消できます。

脚裏のキーパー(保護材)に使う素材も見落としがちです。滑りにくいゴム製のものや接地面の小さなものはできるだけ避けた方がよいです。
なぜ滑りにくい椅子を避けた方がよいかですが、椅子を引く行為はテーブルとの距離感を取る、座る、仕舞うと非常に重要な動作です。滑らないだけでも子どもたちには大きなストレスになります。さらに椅子が動かないとテーブルを押します。これでテーブルも動かないと椅子ごと後ろに倒れる、椅子が壊れる、姿勢を崩すというストレスの連鎖が起こります。椅子の寿命だけでなく床の寿命も縮めかねません。

脚裏の設置面が広いものやキーパーが着いていても滑りやすいもの、摩擦係数が少ないもの、引っ掛かりにくい角がない丸みのある脚裏のものを選ぶと長持ちに一役買うかもしれません。
また、半年に1度でもよいので脚の裏の汚れをふき取る、キーパーを交換することもおすすめです。

保育テーブルのお手入れ方法

テーブル

椅子とともに使用頻度は家具の中でも飛び抜けて多く、それだけにいろいろな症状と対策が考えられます。用途もサイズも多種多様にありますがここでは複数人で使用し、給食や食事で使うテーブル、机上遊びや活動で使うテーブルについてお話しします。
テーブルのパーツは3つに分かれます。天板と脚、その接合部。天板の種類は大まかに無垢かフラッシュかに分かれます。
テーブルの天板が無垢の場合は、前述の「無垢の家具のお手入れのしかた」(link)の方法がおすすめです。天板がフラッシュの場合には、キズや打痕がつくほどの行為に注意をしていただければ無垢以上に軽く、消毒にも強くとても扱いやすくお手入れをあまりしなくても問題ありません。
脚は木製か金属製がほとんどで脚自体に問題は少なく、長持ちの度合も脚が原因となることは少ないです。

問題はこの脚とさまざまな天板を繋ぐ接合部にあります。幕板と呼ばれる脚同士を繋ぐ板があるテーブルは問題を起こすことは少ないですが、ビス、ネジ、専用金具(折りたたみ金具)などを使っただけのテーブルと脚の接合は、金具は消耗品、必ず交換や買い替えが起こります。

特に脚を折りたたむ金具は消耗が早く、毎日何度も使用する保育現場ではいずれ交換する時期がやってきます。
少しでも長く延命する方法としては

①こまめに注油をする
→折りたたみしにくくなったらすぐに注油、もしくは1か月1回は金具の回転軸に注してください。
②折りたたむ回数を極力減らす
→折りたたむ回数は金具の延命に直結します。できるだけ回数を減らしてみてください。
③折りたたむ際に負担がかかるやり方で折らない
→脚は長手方向か中央に向かってに折れるようになっていると思います。テーブルの脚を折る際にこの長手方向を立たせて(脚が寝て天板が立つ状態、短手が上下にくる)折ると金具に負担が一気に増します。折りにくいとは思いますが長手を上下に寝かせるか、ひっくり返してから折りたたんでください。

の3点が有効です。