調湿効果を持つゆえの苦手
木材の調湿効果は周囲の湿度と釣り合いを取ろうとするために水分を吸収、放出する現象です(平衡含水率)。急激な環境変化や過酷な設置状況は木材の膨張収縮(水浸しや直射日光の繰り返し)時に大きく姿を変えてしまいます。家具の場合はその木のみならず周辺部(接着面、塗装、接合部分)に甚大な影響を与え、目地違い(ズレ)、割れ、反りといった暴れる要因のひとつになってしまいます。
この接合部などへさらに水が侵入すると腐敗、カビ、弱体などがさらに起こり家具として使えなくなることもあるので注意が必要です。
この症状になる前に、製材の時点でしっかりと自由水が抜けていることが必須ですが、水浸し状態や直射日光などの極端な状況を作らない、加湿と乾燥の繰り返しをできるだけ避けることがもっとも有効な対策になります。
たとえば保育現場で見受けられる椅子の水洗いや日光消毒はその効果以上にその椅子を痛めてしまっています。
日中直射日光が常に当たる場所はできるだけ避けてください。天日干しはしないでください。
加湿器や除湿器、壁紙のない地下室などの湿気の多い(極端に少ない)ところに置くことはできるだけ避けてください。また、エアコンの吹き出し口の近くも乾燥しますので、できるだけ避けてください。
水に濡れた場合はすぐに拭き取ってください。雨で濡れる半屋外に置かないでください。
同じ効果を求めるには固く絞った水拭き後に乾拭きでふき取ることで痛めることなく解決することが可能です。