Painting塗装について
塗装の目的は?
塗装は木材や家具の保護と美化を目的に行います
例えば、木地(きじ)の表面を平滑に仕上げ塗装することにより、防汚・防虫・防カビ等の機能性を付与するだけでなく、紫外線や水分による劣化を防いでくれます。
塗装をすることにより木地そのものでは表現できない、その潜在的な個性や色彩、見た目の美しさなど素材の価値を創出してくれます。塗装をすることで肌触りが良くなり、品質を向上させてくれるわけです。
家具の塗装にはさまざまな種類の塗装と方法があります
ナガサワでも使用する環境と家具や遊具によってその種類と方法を変えて塗装を行なっています。皆さんもよくご存知のオイル塗装とウレタン塗装がそれにあたります。
無垢の家具といえばオイル塗装、と思っていらっしゃる方も多いようですが、生活環境の違いにより、あるいは使用目的や頻度によって使い分けていただかないと、せっかく買った家具が反ったり割れたり、汚れの付着やカビの発生で処分、なんてことにもなります。
オイル塗装とは?
オイル塗装といっても、塗料によりその主原料は大きく異なります。
大きく分けて鉱物性オイルと植物性オイルという2種類のオイルがあり、ヨーロッパでよく使われてきたチークオイルというものは石油由来の鉱物性オイルです。
日本人には植物由来のオイルの方が馴染みがあるかもしれませんね。
代表的なものに亜麻仁油、荏胡麻油、桐油、胡桃油などなど様々なものが古来より使われてきました。
オイル塗装は設備なども不要なため手軽で簡単と思われがちですが、本来は木地に油を浸透させながら研磨し、研ぎ粉を木の導管にすりこんで目止めとして凝固させます。
そうすることにより木の表面を平滑にし、より透明感と光沢のある塗装面ができます。
オイル塗装はこまめなお手入れが必要!
オイル塗装は木地にオイルを浸透させて硬化させる塗装のため、ウレタン塗装とは異なり表面に塗膜を形成しません。肌ざわりに自然味があり、優れた風合いが特徴です。
一方で、表面に塗膜が形成されないため耐水性や耐防汚性は劣り、シミや汚れが残りやすくカビの発生を伴うこともあります。耐薬品性にも乏しく、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムによる劣化も激しいため、使用の際は注意が必要です。紫外線による影響を受けやすいので日焼けしやすく、木材保護の観点からするとこまめなお手入れが必要となってきます。
それを緩和するために、蜜蝋やカルナバワックス等をオイル塗装の仕上げとして塗ることで保護膜を形成し耐水性と光沢を増すことができます。
ウレタン塗装とは?
1948年日本塗料工業会が設立されて以来、様々な合成樹脂塗料が開発されてきました。
ウレタン塗装の歴史はまだまだ浅くおよそ70年ほどではありますが、木製品において現在主流になっているのがウレタン塗装です。
耐候性に優れ、密着性が良く、塗膜に柔軟性があるので収縮する木材に塗装しても塗膜が割れにくく、家具においても広く用いられています。
また小さな欠点、傷や孔、木地研磨の多少の不足があったとしても、塗膜の肉もちの良さで補修されるため、均一に仕上がりやすいというメリットがあります。
ウレタン塗装の耐用年数は7~10年!
ウレタン塗装の耐用年数は7-10年くらいと言われていますが、設置する環境や使用状況により大きく異なります。特に屋外のように紫外線や水分の影響を直接的に受ける場所や屋内でもそれに近い環境に置いておくと、塗膜の劣化は加速します。また直射日光やお湯などの高温にさらされ続けたり、薬品の付着が頻繁にある環境でも同様です。一般的に10年くらいはもつだろうと言われていますが、ナガサワには実際に30年以上前にウレタン塗装した家具が、メンテナンスをすることなく未だ使われていますので、環境が違えばそれだけ長持ちの度合いも変わってきます。
ナガサワの家具は、主にウレタン塗装を採用
経年変化した椅子(オイル塗装)
十数年前まで、ナガサワの家具はオイル塗装がほとんどでした。環境と体に優しいものを提供したいという想いで自然系のオイルを塗布していましたが、不特定多数の方々が使用する保育の現場では、水や食べ物による汚れ・カビの影響を大きく受けたり、あるいは必要時応じたメンテナンスができないなどの理由により、ウレタン塗装の比重が大きくなりました。
耐候性のある塗装ですので、お手入れの頻度はオイル塗装よりもはるかに長い期間となりますが、一旦塗装が剥がれたり深い傷がついて補修が必要となった場合、ある程度の設備がないとその補修は難しくなります。傷や劣化した塗膜をすべて削り落として、木地を仕上げその後改めてウレタン塗料を吹き付けますので、それなりの時間と技術が必要となります。
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